本日はブルドックソース(証券コード:2804)のご紹介をしていきます。
東証1部上場記念の株主優待をメインにご紹介しようと思いましたが、
日本の株式史上、稀にみる事件があったため、
そちらをメインに紹介しようと思います(´・ω・`)
ブルドックソース事件とは
ブルドックソース事件は2007年に起きました。
海外ファンドからTOBを仕掛けられ、ブルドックソースが日本初の「敵対的買収防衛策」を取ったことから始まります。
TOB(take-over bid)とは
→ 株式公開買付と言って、相手の株を50%以上取得して経営権を握ることが主な目的です。
友好的か敵対的かはTOBをされる側の考え方によって違います。
最近の例を挙げると
友好的
NTT→NTTドコモ
敵対的
コロワイド→大戸屋
結果的に、最高裁までいきブルドックソースの防衛成功という形で終わりました。
事件の経緯
アメリカの投資ファンド「スティール・パートナーズ」がブルドックソースの発行済株を全て取得する目的でTOBを行いました。
ブルドック側はスティールに際し「質問事項を記載した意見事項表明書」を送り、
返ってきた回答がこちら
- スティールは、日本において会社を経営したことはなく、現在その予定もないこと
- スティールが、現在のところブルドックを自ら経営するつもりはないこと
- ブルドックの企業価値を向上させることができる提案等を、どのようにして経営陣に提供できるかということについて想定しているものはないこと
- スティールは、ブルドックの支配権を取得した場合における事業計画や経営計画を現在のところ有していないこと
- ブルドックの日常的な業務を自ら運営する意図を有していないため、ブルドックの行う製造販売事業に係る質問について回答する必要はないこと
ブルドック側は返答に際し、投下資本の回収方針については具体的な記載がなかった為、ブルドックの企業価値を毀損し、ブルドックの利益ひいては株主の共同の利益を害するものと判断し、本件公開買付けに反対すると決議をしました。
この時点で「敵対的買収」という位置づけが確定されました。
敵対的買収防衛策
買収防衛策にも様々な種類があります、一例ですが
1、ホワイトナイト
→ 友好的第3者がTOBをされる側の株式を新たにTOBをする
2、ポイズンピル
→ 敵対的買収者以外の株主に大量の新株を発行することで買収者の持ち株比率を低下させる
3、パックマン・ディフェンス
→ TOBを仕掛けてきた相手に、逆にTOBを仕掛ける
この件でブルドックソースが取った防衛策は
「ポイズンピル」でした。
全株主に対し「1株につき3個の新株予約権を発行しスティールに関しては新株予約権を付与せず金銭による支払いをする。」
これによりスティール以外の株主は1株が4株になりスティールの株式保有割合が著しく低下します。
スティール側はもちろん納得せず「株主平等の原則」に反していると裁判所に訴えました。
裁判所の判決
最高裁の判決文をそのまま載せると、もの凄い文字数になるので簡潔にいうと
- スティールに経営権が渡ったら、会社の不利益になるかもしれないから差別じゃない
- 理由はスティール以外の株主(約83.4%)がスティールに経営権を渡るのを望んでいない
- スティールの質問回答書をみても、その後の目的や手法が明確になってない
良く分かりませんが、とにかく違法じゃないから防衛策を認めるよ。と言うことです。
これで裁判までいった日本初の「買収防衛策」が成功となりました。
おまけ *株主優待と配当金
配当金 35円
権利確定月 3月
株主優待
100株以上 1000円相当の自社商品
800株以上 3000円相当の自社商品
2021年3月期に限り、東証1部上場記念の株主優待が追加されています
↑記念株主優待
↑100株(1000円相当)